海外不動産協会コラム(2022年7月27日発行)

海外不動産協会コラム(2022年7月27日発行)

【ベトナム】海外直接投資先として有望
英金融大手HSBCはこのほど公表したレポートの中で、ベトナムがグローバルサプライチェーンの新星として、今後も東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6ヵ国最大の海外直接投資(FDI)先になるとの見解を示した。
レポートでは、ベトナムが繊維や靴、電子機器などの製造ハブとして、グローバルサプライチェーンの中での重要性を増していると指摘。特に、これまでは衣料品や靴などの付加価値の低い産業への投資が中心であったものの、過去20年ほどで電子機器分野への投資が進み、主要な製造拠点へと成長していることを評価した。
ベトナムの電子機器分野の成長の背景には、韓国の電機大手サムスン電子からの投資がある。サムスン電子は、2000年代後半から累計で約180億ドル(約2兆4,300億円)を投資。現在、ベトナムに8つの工場と研究開発センターを構えており、このうち2つの工場では、同社のスマートフォンとタブレットの半分が生産されている。
こうしたサムスン電子の成功が、その後の米IT大手グーグルや韓国の電機大手LG電子など、数多くの大手ハイテク企業の進出に繋がっている。最近では、米IT大手アップルの製品を受託製造する台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)大手である和碩聯合科技(ペガトロン)や鴻海科技集団(フォックスコン)もベトナムでの投資拡大を計画している。

海外不動産協会:nna記事より

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前回はフィリピンの話でしたが、今回はベトナムです。HSBCがASEAN主要6カ国最大の海外直接投資先にあると発表しています。この見方は私も至極真っ当だと思います。製造拠点という意味で「タイと同じような軌跡」を辿る可能性は高いのですが、タイと決定的に違うのは、「社会主義であること」と「人口が増えている」という2点だと思っています。

政治的な部分はタイだって軍事国家です(第二次世界大戦以降で25回以上のクーデターが起きた国)。社会主義だから、という意味では中国ほど強権的でもないのでまだ安心できるかもしれません。
ただ人口に関してはタイの1.5倍です。そして若い。
最近、民主主義は遅いし成長しにくいという意見が出てきています。そういう意味でもベトナムの動きは伸びると思います。ただ、だからと言ってベトナムの不動産を購入すべきだ!と盲目的に信じるのは個人的に良くないと思っています。上述した通り政治的な部分もありますし、何があるかわかりません。いきなり中国やマレーシアのように投資規制が入ることは十分あります。
その点においてベトナムでの個人的な投資は非常に慎重にすべきではあるものの、国としては成長していくと思います。

以上