海外不動産協会コラム(2022年2月18日発行)
海外不動産協会コラム(2022年2月18日発行)
【シンガポール】21年のシンガポール商業不動産投資額は3倍増、コロナ前水準を回復
米不動産調査会社リアル・キャピタル・アナリティクス(RCA)によると、2021年におけるシンガポールの商業用不動産投資額は、前年比で約3倍の90億米ドル(約1兆395億円)となり、コロナ前の水準を回復した。
市場の回復をけん引したのは海外からの投資マネーで、オフィス物件を中心に50億Sドル(約4,290億円)が流入。過去最高だった2019年に次ぐ高水準を記録した。
2021年第4四半期に、米大手銀行系のJPモルガン・グローバル・オルタナティブズや、世界最大級の不動産投資会社ヌビーン・リアルステートによって取引された中心部のオフィス物件「ワン・ジョージ・ストリート」は、コロナ禍に突入して以降、初の10億米ドル規模となった。また、独不動産投資会社AMアルファも、中心部のオフィス物件に約2億6,970万Sドルを投じている。
なお、RCAによると、シンガポールの投資家によるアジア太平洋地域(自国を除く)での商業用不動産投資額も、2021年に約160億米ドルと過去最高を記録。国・地域別では、米国を抑えて首位となった。
海外不動産協会:NNA記事より
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ついにシンガポールへの不動産投資額(商業不動産ですが)がコロナ前の水準に戻ってきました。世界的には金あまりが続いていて、コロナになってから金融商品にお金が注ぎ込まれていたのですが、金融市場も安定していないせいか、ここにきて実需で流動性も高いシンガポールの不動産にお金が流れてきたという形になりました。
これは日本でも同じような動きが出てきています。金融市場が少し落ち着いてきて不動産価格が高止まりしているのと似たような形です。特に東京都心部の価格は値下がりどころか価格が上がっている状態になっています。
おそらくこの動きは当面続きそうです。コロナ発生時でも金融市場が瞬間的に下がりましたが、結果的に復活して現在は小康状態になっています。金融市場に小波乱があったとしても不動産に与える影響はそこまで大きくないということでしょう。
ただし不動産価値が変わらずともコロナによって賃料に関しては明確に減少しています。そのため今不動産において「価値は高いが儲かる案件ではない」という状態です。これに関しては個人投資家も同様で、レバレッジをフルスロットルでかけている人は厳しいですが、キャッシュを持っている方であればそこまで悲惨な状況にはなっていません。
「Cash is KING」という言葉がぴったりなマーケットなんだなと思います。この状況は当面続きそうな気がします。
以上