海外不動産協会コラム(2022年12月24日発行)

海外不動産協会コラム(2022年12月24日発行)

【RCEP】地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が1月1日に発効

1.RCEP協定が2022年1月1日に発効
RCEP協定は、少なくとも6のASEAN構成国である署名国及び少なくとも3のASEAN構成国でない署名国が批准書、受諾書又は承認書を寄託者であるASEAN事務局長に寄託した日の後60日で、寄託をしたこれらの署名国について効力を生ずることとなっています。既に我が国のほかにブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナムが寄託しており、2021年11月2日(火曜日)のオーストラリア及びニュージーランドの寄託によって、2022年1月1日(土曜日)に、我が国及びこれら9か国についてRCEP協定が発効することとなります。

2.RCEP協定の発効を歓迎
我が国として、RCEP協定の発効を歓迎します。これにより、世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になり、我が国及び地域の経済成長に寄与することが期待されます。

海外不動産協会:経済産業省HP記事より
https://www.meti.go.jp/press/2021/11/20211104004/20211104004.html

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新年あけましておめでとうございます。本年も海外不動産協会を何卒よろしくお願いいたします。

さて、1月1日にRCEPが発効されました。今回のコラムは2回に分けてRCEPについて書いていきたいと思います。

まずRCEPとは何か?ということですが、RCEP(アールセップ)とは「東アジア地域包括的経済連携」と呼ばれる、日本・中国・韓国・ASEAN10ヵ国に、オーストラリアとニュージーランドを加えた15カ国が参加している自由貿易の協定のことです(RCEPとは「Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement」の頭文字を取った略称)。

RCEPは、日本にとって中国、韓国との間で締結される初の経済連携協定でもあります。
RCEPによって世界のGDP及び貿易総額や人口においても世界の約3割を占める広域経済圏が誕生したのです。

RCEP(アールセップ)の合意内容は、農林水産品や工業製品などへの関税の減免に加え、輸出入の手続きの簡素化、サービスや投資のルールなどさまざまな分野について定められており、参加国全体での関税の撤廃率は品目数で見ると91%となっており、これは撤廃率の品目数が99%以上のTPPなど他のFTAと比較するとやや低い数値と言えます。

2012年11月にカンボジアで開かれた第21回ASEANサミットにおいて発表された「RCEP 交渉の基本指針および目的」にはRCEP 交渉における8つの原則と8つの交渉分野が記載されています。

<RCEPにおける8つの原則>
① WTO協定との整合性が取れていること
② 既存のASEAN+FTAを大きく上回る改善
③ 貿易と投資の円滑化と透明性を向上させること
④ 加盟国の発展段階によって配慮がなされること
⑤ 加盟国における既存のFTAの存続
⑥ ASEANのFTA パートナー国や域外の経済パートナー国がRCEPに新規参加できるよう、開かれた加盟条項の設定
⑦ 途上国への技術協力や能力開発
⑧ 物品・サービス貿易、投資およびその他の分野の交渉を並行して行うこと

<RCEPにおける8つの交渉分野>
① 物品貿易
② サービス貿易
③ 投資
④ 経済・技術協力
⑤ 知的財産権
⑥ 競争
⑦ 紛争解決
⑧ その他

上記の原則と分野の中で協定を結んだという話です。
次回のコラムでは、このRCEPが日本企業にとってどういったメリットがあり、不動産マーケットにどのように影響するかを書いていきたいと思います。

以上