海外不動産協会コラム(2021年9月16日発行)
海外不動産協会コラム(2021年9月16日発行)
【ASEAN】ASEANの現地法人数の割合は9年連続拡大
日本の経済産業省は7月30日、「第50回 海外事業活動基本調査」結果を発表した。2019年度末の現地法人数は2万5,693社となり、アジア、北米、欧州でいずれも前年度から減少した。アジアの現地法人数は1万7,372社(構成比67.6%)となり、中でも、7,312社の現地法人数が確認されたASEANの構成比は28.5%と前年度から0.1ポイント上昇した。ASEANの割合は9年連続で拡大している。2019年度に進出した現地法人(新規設立)数は266社で、その割合を地域別にみると、ASEAN、北米、中国に進出した企業の割合が前年度から上昇した。ASEANの割合は前年度の30.1%から33.8%となった。
2019年度の現地法人売上高は前年度比9.6%減の263兆1,000億円。地域別にみると、アジア(116兆2,000億円、前年度比11.8%減)、北米(88兆円、7.6%減)、欧州(37兆7,000億円、8.4%減)と3地域ともに減少した。アジアの中でも、ASEANの売上高は前年度比11.5%減の53兆8,000億円だった。
ASEANの中でも、日本企業の進出が多いマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンのASEAN4カ国の売上高はこの約10年間おおむね右肩上がりで推移し、2019年度は35兆4,000億円と2010年度の24兆3,000億円から約5割増加した。また、経常利益については、このASEANの4カ国だけで、世界全体の17.3%(1兆9,000億円)を占め、ASEAN主要国がプロフィットセンターになっている。
海外不動産協会:JETRO記事より
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1990年代、2000年代は欧米が中心だった海外進出ですが、今やASEANが中心になってきています。コロナ禍ということもあり、海外に行きにくくなっているのは確かですが、それでもASEANの存在が非常に大きな状況になっています。今後は南米やアフリカが注目されてくるとは思いますが、製造業が大きな割合を占める日本からすると、当面ASEANは地理的制約から日本にとって非常に重要なパートナーになっていくでしょう。
とはいえ、まだまだ欧米の魅力やパワーというのは以前強いものがありますので、この辺りのバランスを見ながら世界を見渡し、どのように動いていけば良いのか、きちんと見極めていきたいものです。
以上