海外不動産協会コラム(2021年8月26日発行)

海外不動産協会コラム(2021年8月26日発行)

0332256800

■ 内閣は、7月14日及び7月30日、国家回復計画の実施を支援する戦略の一つとしてMM2Hプログラムに関する新たな施策の改正案に同意した。
MM2Hプログラムは、全ての法制手続完了後、2021年10月より、マレーシア入国管理局(JIM)によって再開され、新規申請に対応する予定である。

■申請手続は、MM2H参加者の申請、処理、個人情報管理の目的でオンライン化される。

***MM2Hプログラム参加者数上限***
■マレーシア国内における同プログラムによる外国人流入の懸念から、参加者本人と被扶養者の人数を常にマレーシア国民総人口の1パーセントを超えない水準とする。

**申請資格**
■犯罪履歴のない者に限定する。

**申請要件** *1リンギット=25円で計算
1. マレーシア在住日数が年間合計90日以上であること(MM2H参加者が消費活動を通じて国内経済に貢献することを確証するため)。
2. マレーシア国外で得る収入が、月額40,000リンギット以上(約100万円以上)であること(従来は10,000リンギット)。
3. 定期預金額が1,000,000リンギット以上(約2,500万円以上)あること。ただし、不動産取得、医療、教育目的で最大50パーセントの引き出しが可能(従来は、50歳以上について150,000リンギット,50歳未満について300,000リンギット)。
4. 年齢は以下のとおり二分類される。
(1)35歳以上49歳以下
(2)50歳以上
なお、35歳以上49歳以下の申請においては、以下の条件を満たす必要がある。
(1)申請者本人又は配偶者のマレーシア在住日数が年間合計90日以上であること
(2)申請者の配偶者及び子供、親、義理の親である被扶養者について、一人につき50,000リンギットが条件3の定期預金額に加算。ただし、不動産取得、医療、教育目的で最大50パーセントの引き出しが可能。
5. MM2H長期ソーシャル・ビジット・パスの期間は5年間で、申請条件を満たす限り5年ごとに延長可能(従来は10年間)。
6. 1,500,000リンギット(約3,750万円以上)の流動資産を申告すること(従来は、カテゴリーに応じて350,000リンギット及び500,000リンギット)。
7. 年間パス料金は、90リンギットから500リンギットに値上げ。オンラインシステムなどのサービスの質向上のため、手続き費用を新たに徴収し、申請者本人は5,000リンギット,被扶養者は一人あたり2,500リンギット。

以下は、MM2Hパス提供に当たってのセキュリティー確保のための内務省の取組
8. パスの更新、世帯主の変更、本人及び被扶養者の国籍変更はセキュリティーチェックを受けて合格する必要がある。
9. セキュリティー強化のため、全ての申請者本人及び被扶養者は無犯罪証明書を提出する必要がある。
10.内務省は観光芸術文化省、旅行代理店と連携して取り組む。

■ MM2Hプログラムの新しい要件は新規申請、今後失効する既存パスの延長申請に対して適用される。
■ 延長申請する者については、新しい要件を満たすための1年間の猶予期間が与えられる。
■ MM2Hプログラムの実施及び申請者の入国については、国家安全保障会議(NSC)及び保健省が定める標準運用手順(SOP)に従う必要がある。
■ MM2H参加者のコントロールについては、内務省は、マレーシア入国管理局及びマレーシア国家警察を通じ、定期的に監視・取締りを行う。

海外不動産協会:NNA記事より
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非常に簡単にまとめると、
・月額100万円以上の収入が必要(従来は月額25万円程度)
・定期預金として2,500万円以上必要(従来は350万円〜700万円程度)
・新規はもちろん、再発行においてもこの条件が適用される

というところでしょうか。メルマガでも書きましたが、この条件変更によりマレーシアの移住が厳しくなっています。これもコロナの影響でしょう。次回のコラムでも書きますがマレーシア首相が辞任する前に決めた内容ということで、マレーシア政府の迷走とコロナによる打撃が大きいということでしょう。外国人を受け入れるにもはっきりと「富裕層」にしかMM2Hは出さない、という明確な意思だと思います。

現在、MM2Hを所有している方は、改めて条件を確認してください。またこれから取得しようと考えている方は条件をよく見ておいてください。

以上