海外不動産協会コラム(2021年6月3日発行)
海外不動産協会コラム(2021年6月3日発行)
【ベトナム】中央銀行、不動産融資の引き締めを指示く
ベトナム国家銀行(中央銀行)は金融機関宛てに公文書第3029号/NHNN-TTGSNHを送付し、不動産融資を引き締めるよう指導した。中央銀行は、この背景として金融機関による不動産向け融資や不動産事業向け社債の投資が急拡大し業界リスクが高まっていると指摘し、この傾向を抑制する必要があると説明した。株式投資向けの融資の急増も懸念材料として挙げられた。
海外不動産協会: NNA記事より
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ベトナムで不動産融資を引き締めるというニュースが出ました(2021年5月時点)。記事によると与信枠5,000億VND(約24億円)以上の大口顧客に係る不良債権額が2019年に比べて増加しているとのことで、いかに不動産にお金を突っ込んでいたかがわかる数字です。
これは日本でも同じですが、市中にお金が入ってくると不動産は特に価格に反映しやすい傾向があります。好立地に好物件というのは早々出てくるわけではありませんし、株のようにゼロになる可能性はないわけですから、どうしても不動産にお金が集まり一種のバブルを作ってしまうことがあります。ここをベトナム政府は懸念したのでしょう。
これは他国でも同じことが起きていますが、ベトナムの場合は景気が良いこともあり不動産バブルが起きやすい状況なのだとも読み取れます。
またベトナムは共産圏の国でもありますから、市場調整という意味では政府の介入が入りやすい国でもあります。この点は注意をしておきたいところです。
以上