海外不動産協会コラム(2021年2月18日発行)
海外不動産協会コラム(2021年2月18日発行)
ミャンマーで軍事クーデター
2021年2月1日、ミャンマーにて軍事クーデターが起きました。
この結果、軍出身のミンスエ第一副大統領が暫定大統領となり、憲法417条[6]の規定に基づいて期限を1年間とする非常事態宣言を発出し、国軍が政権を掌握した。また、ミン・アウン・フライン国軍総司令官に全権力が委譲され、事実上の国家指導者となったことをミャンマー軍が一方的に宣言しました。
海外不動産協会: NNA記事より
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この事態を受けて、日系企業であるビール大手キリンホールディングスが2021年2月5日に国軍系の複合企業との合弁を解消すると発表しました。アウン・サン・スー・チー国家顧問をはじめ文民政権トップらが身柄を拘束された事態をめぐっては、国際的な非難が高まっていて、キリンは、「国軍が武力で国家権力を掌握した先般の行動について、大変遺憾に思っている」と表明。合弁相手のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHPCL)について、「現在の状況に鑑みるに(中略)提携を解消せざるを得ない」と発表しました。
おそらく今後、似たような状況は起きうると思います。政治的な話はさておき、2020年終わり頃から商業系施設の空室率が伸びてきており、不動産マーケットにおいてもコロナによる影響は避けられない、というニュースが出たばかりでした。
またこのクーデターにより、ドル高チャット安が続いています。明らかに経済的にも厳しい状況を迎えているのは確かでしょう。以前の軍事政権化において、ミャンマーはほぼ鎖国に近い状況であったことから、余計に国民が反発をしていると想定されます。
国際世論がこれからどうなるのか、は何とも言えませんが(国連などは非難しています)、目下の舵取りは経済政策だと思います。ミャンマーはこのコロナ禍でありながら、2020年は1.5%程度のプラス成長との予測が出ています。ただ上述した通り国際世論からの非難もあるので、前途は厳しいものになるでしょう。不動産マーケットにおいても政府がどのような施策を出してくるか?によると思いますが、現段階ではすぐ動くようなものではありません。おそらく当面は静観する、というのが本音だと思います。
ミャンマーの今後に注目していきたいと思います。まずは国民の安全と安心を祈念するばかりです。
以上