海外不動産協会メルマガ(2020年8月11日発行)
海外不動産協会メルマガ(2020年8月11日発行)
今月のメルマガは、『コロナ後の海外不動産マーケットについて』として、理事長の田中圭介氏より発信します。
コロナ後の海外不動産マーケットについて
海外不動産協会理事長の田中です。
8月に入りようやく梅雨明けが宣言されたかと思うと次は熱中症になりそうなほどの暑さが日本を覆っています。
2020年という年はコロナから始まり、豪雨による被害、長い梅雨、そしてこの暑さ、と本当に世界が今までにないような状況に陥っています。本来ならば東京オリンピックが開催され今頃世界中でお祭り騒ぎとなっていてもおかしくなかったと思います。そんなオリンピックも延期となり、今年は耐える1年となってしまいました。
国内不動産においてもインバウンド需要が霧散
一方、国内不動産においてもインバウンド需要が霧散し、ホテル建設等で高騰していたマーケットが一気に止まりました。止まっただけではなく、ホテル・旅館関係においては倒産してしまう事態になっています。私自身もホテル関係の仕事をしていますが、正直かなり厳しい状況に陥っています。
これは海外でも同じで、あらゆる国で不動産マーケットが止まっているように見えます。2020年3月頃から各国で非常事態宣言が発布されてから、徐々に不動産業界にも侵食しているように思えます。本格的に底に向かうのはまだ先だと思いますが、少なくとも目先の点では海外不動産において海外投資家の資金を元に広がってきたマーケットは縮小傾向にあるのは確かです。具体的には東南アジアやアフリカ、南アメリカの不動産マーケットは全体的にはかなり厳しい数字になっています。
アメリカなどは国内需要が堅調
ただアメリカなどは経済対策もあってか国内需要が堅調なエリアもあったりします。細かく見ていくとそれぞれの国でエリアや物件のスペック、価格帯によって影響度合いが変わってきているので、この点は不動産の面白いところかもしれません。すべての物件種別、価格帯でダメになっているわけでは決してないというのが不動産の特徴かもしれませんね。
海外不動産マーケットは回復までに2-3年ほどかかる
さて、このコロナ後の海外不動産マーケットという意味では、全体感としては回復までに2-3年ほどかかると思われます。ただこれはあくまで全体感です。もう少し細かく提案するのであれば、海外に行けるタイミングで(おそらく早くても年末〜来年3月頃と想定しています)まずやるべきことは「支払い不能になっている案件発掘」です。すでにそういった案件はエリア関係なく出てきていますが、さすがに現地に行かない状況で購入するのはリスクがあります。ですので、現地に行けるタイミングですぐに買付が入れられる状況にまで待っておいた方が良いです。
すでに中国人投資家は動いている
すでに中国人投資家の中にはそういう動きをしている人がいるそうです。2019年時点の相場で3,000万円の物件が今だと2,500万円、下手すれば2,000万円ほどで買えるチャンスがあります。指値ができるタイミングが必ず来ると思います。ただ、やはり良い物件早い者勝ち。相場を理解し、この金額ならすぐに買付を出す、という意気込みで見ていけば良いと思います。
これは日本国内でも同じですが、やはり反動という意味では新興国の方が有利な可能性が高いと睨んでいます。
常に「準備をしておくこと」は非常に重要
とは言え、まだまだコロナの今後はわかりません。すぐにワクチンや薬ができて安心な世の中になるかもしれませんし、逆に2年も3年もこの状況が続くかもしれません。
ただ常に「準備をしておくこと」は非常に重要だと思います。
まさにこの夏は「準備」をすべき時だと思います。
それでは暑い日々が続いていますが、お体には皆様十分気をつけてください。
以上
(2020年8月11日発行)