海外不動産協会メルマガ(2020年6月9日発行)

海外不動産協会メルマガ(2020年6月9日発行)

今月のメルマガは、『海外不動産におけるリスクと心構え』として、理事の毛利 栄伸氏より発信します。

海外不動産におけるリスクと心構え

令和元年の年末から令和2年に入り新型コロナ発生と同時に各国が緊急事態の宣言をするなど著しく環境が様変わりする中で日本も同様に様々な対策に日々追われる現状となっております。
ここで、今日はあくまで一例ではございますが、タイで起きた建物管理に関する情報を皆様に提供したいと思います。

政府より発令された緊急事態宣言

タイでは3月26日に政府より発令された緊急事態宣言により実質的な外出禁止令が各地域で施行されることとなり、各業種が大きな経済的損失を起こしている状況です。今回はその中でもホテルや民泊に対するタイ政府が実際に発布した資料を基にお話をしたいと思います。

休業命令が出され施行日はわずか1日後の4月3日から開始

4月2日にタイ政府よりホテルに対する休業命令が出され施行日はわずか1日後の4月3日から開始となりました。その際にすべての予約に対してキャンセルを余儀なくすることとなり、さらに3日以内に施設利用している宿泊者を退去させるよう指示が出ました。これに違反したものは罰則対象となり、罰則内容も決まっていない中、発令された指示でした。

これは各国により判断が大きく異なる事項でもございますが、私たちが暮らす日本では考えられないような常識が海外には存在するということです。
海外不動産を検討、もしくは購入するに当たり日本では考えられない事態に陥る(慣れていないことが起きると、日本人にとってはすべてが特別に感じてしまう傾向にある。)ことがありますが、日本人であれば誰もが驚く局面が沢山あることも事実です。
しかしながら、問題の解決ができないのではなく冷静に対応することができる、または静観して判断することにより、問題の解決の糸口を見つけることができるケースというのも沢山あります。

海外不動産の収益を前提とした購入には十分な注意が必要

今回のような状況下においては購入した方法により状況が二手に分かれると言えると思います。当然のこととして現金で購入している場合は、焦りを感じる必要はさほどないと言えると思いますが、購入者様の中でも融資を受けて購入している場合、金融機関への返済等を考慮した時に、大きな負担となってしまいます。だからこそ購入する際は、海外不動産の収益を前提とした購入には十分な注意が必要となります。

特に、海外では購入者の判断責任が強く考えられており日本のように消費者が著しく保護される法律は無いと考えたほうが良いと思います。ただ一方で、成長を続ける国、急成長を続ける国など各国の魅力が高いのも事実であり魅力ある投資先が多いのも事実です。
問題なのは心構えが日本の風習にとらわれることであり、如何に理解できない常識を理解できるかが成功と失敗の道の大きな分岐点となるのではないかと思います。

不動産は流動性の高い商品ではない

そもそも、不動産は流動性の高い商品ではないため売却までには、相応の時間がかかるケースが殆どです。タイミングがすべてと言っても過言ではありません。しかし、長期目線で見ると多くの方に大きな利益をもたらしており、それこそが不動産の強みであると言えます。
当然のことではございますが、大変な時期であるからこそ冷静な判断を求められており、市場を注視していく必要があると思います。
今回提供させていただいたタイの資料は協会でも保有しておりますので、もしより深くお知りになりたい方がいらっしゃればぜひお問い合わせください。

以上
(2020年6月9日発行)